臨床検査学科 4年制|定員30名

教育研究上の目的

 臨床検査学科として探求し教育する学問分野は、形態検査(血液検査、病理検査など)、生物化学分析検査(生化学検査、遺伝子検査、尿・体液検査など)、病因・生体防御検査(免疫検査、微生検査、輸血・移植検査など)等の検体検査、そして患者さんから直接的に生体情報を収集する超音波検査、心電図検査、脳波検査、筋電図検査、MR検査等の生体機能検査などがあります。また臨床検査を実践するために必要な情報処理、精度保証、検査情報システム、医用工学等のいわゆる検査総合管理学、そして検査データの判読方法(病態解析)、臨床研究の方法、感染対策・栄養管理等への臨床検査の応用についても学びます。卒業後に、医療施設、検査センター、試薬・機器の製造開発メーカー、研究所等でも活躍ができるような基本的知識と技能を身につけることを目的とします。
 一方、教員の配置も特定の分野に偏ることなく、臨床検査全般に充実した教育、研究が出来るよう配置しています。

臨床検査学科が育成する人材

 大学及び学部の基本理念に基づいた教育とともに、臨床検査学科としては、上記の「教育研究上の目的」に示したように、卒業後、医療施設、検査センター、試薬・機器の製造開発メーカー、研究所、教育機関等いずれの道に進もうとも、本学で培った臨床検査の知識と技能を生かし、さらに発展を遂げられる人材の育成をめざします。基本にあるのは「臨床」であり、豊かな人間性と高い倫理観を持ち、他者と育ち合う気持ちを持った人材に加え、臨床検査学科として以下の人材を育成します。

  • チーム医療の一員としての専門性を備え、責任感と連携・協調性を持った人材
  • 医療、生命科学分野等で広く活躍できる人材
  • 創造的な探求心と研究的な態度を備えた人材

臨床検査学科ディブロマ・ポリシー

 臨床検査学科の教育課程を修了し、以下に到達した者に学士(臨床検査学)を授与します。

  • 1. 他人を思いやる、豊かな人間性や高い倫理観をもち、臨床検査学のプロフェッショナリズムを持って行動できる。
  • 2. 臨床検査学および周辺領域の最新の専門知識・技術を持ち、それらを総合的に活用できる思考力・分析力を身につけている。
  • 3. 他者の思いや考えを理解し、良好な人間関係を築くためのコミュニケーション能力を身につけている。
  • 4. 臨床検査学の専門職として、医療チームの力を引き出し高める役割が期待されていることを自覚し、他者との協働の下に自律的に専門性を発揮するための基礎的能力を身につけている。
  • 5. 新しい検査技術を開発するために、医療の中で直面する課題を常に真摯に探求する態度を身につけている。
  • 6. グローバルな視点で様々な検査技術を用いて人々の健康維持に貢献できる資質を身につけている。

臨床検査学科カリキュラム・ポリシー

 臨床検査学科のディプロマ・ポリシーの達成を目指し、以下の方針に基づいてカリキュラムを編成し、学修効果を適切に評価します。

  • 1. 他人を思いやる、豊かな人間性や高い倫理観をもち、臨床検査学のプロフェッショナリズムの涵養に必要な教養科目を、4 年間を通して学修できるようにバランス良く配置する。
  • 2. 臨床検査学および周辺学問領域の最新の専門知識・技術を持ち、それらを総合的に活用できる思考力・分析力を高めるために、検査専門分野科目を系統的かつ段階的に学修できるように配置する。
  • 3. 新しい検査技術を開発するため常に学修し、医療の中で直面する課題を真摯に探求する能力を高めることができる科目を配置する。
  • 4. 医療現場における臨床検査専門職に必要な知識・技術・態度を段階的に獲得できるように、関連する内容は講義科目・演習科目・実習科目で構成する。
  • 5. 実習科目は、学生ひとり一人の個別性に応じて学修できるように、少人数の学生に教員1名を配置する形態で授業を展開し、検査技術を習得できる教育とする。
  • 6. 自主的かつ自律的に学修できるように自習時間を適正に組み込んだ時間割を編成する。
  • 7. 学修成果は、小テスト・課題、定期試験・レポート試験など複数の方法を用いて総合的に評価する。また、各授業終了時の感想・意見および全授業終了後の学生評価アンケートなどの学生による評価を授業改善に取り入れ、学生・教員双方向の授業を展開する。

関連リンク

臨床検査学科 カリキュラム

教育課程編成の特色

 教育課程の編成の特色としては、医療人の基礎をつくる「総合基礎科目」、総合基礎科目を発展させ各専門科目の基礎をつくる「共通専門基礎科目」、そして「臨床検査専門科目」を設置しています。「総合基礎科目」及び「共通専門基礎科目」は、1年次から4年次まで適宜履修できるよう配置し、一方、「臨床検査専門科目」も1年次から履修するよう配置しています。これにより「総合基礎科目」「共通専門基礎科目」と「臨床検査専門科目」を平行しながら学習できるようになっています。

総合基礎科目

「総合基礎科目」では、人文・自然・社会に関する基礎的な科学を学び、広い教養と豊かな人間性を養い、社会人としての土台を築きます。また、医療人として社会の中で働くために最も重要なコミュニケーション能力を高めるための科目群でもあります。この科目群の枠組みとしては、『こころと身体』『生活と社会』『コミュニケーション』『言語と国際性』の4つの小区分から成り立っています。これらの科目はすべて選択科目で、自分の興味をもつ科目を複数の中から選んで受講します。

共通専門基礎科目

 「共通専門基礎科目」は、体のしくみや疾病の成り立ちを中心に、医療人として基本的に必要な知識を修得するとともに、臨床検査専門科目で得た知識や技術を実践するときに必要な方法を学びます。この科目は『からだのしくみと医療』『協働的医療実践の基礎』の2つの小区分から成り立っています。基本的には、必修科目ですが、いくつかの選択科目もありますので、興味をもった科目を選択することができます。

臨床検査専門科目

 「臨床検査専門科目」は、基礎・基本から実践・応用まで、学生一人ひとりが臨床検査技師として実践に必要なより専門的知識と質の高い技能を系統的に学習し、社会に貢献できる臨床検査技師としての資格に対応できる科目群で構成されています。

すなわち臨床検査技師として必要な専門的知識、技能を深め、実践能力を培う科目を、『臨床検査ガイダンス』『臨床病態学』『形態検査学』『生物化学分析検査学』『病因・生体防御検査学』『生体機能検査学』『検査総合管理学』及び『臨床検査卒業研究』の8つの小区分で設定しています。

授業科目、授業の方法及び内容並びに年間の授業計画(シラバス)
臨床検査学科 4年間の流れ
1.臨床検査ガイダンス

 臨床検査の基本を理解するために、学問的な基本知識を学びながら実践的実習を行うことにより、その後の授業に対するモチベーションの高揚を目的としています。『臨床検査学総論』『臨床検査基礎実習』の2科目を設定し、1年生前期で学びます。
『臨床検査学総論』では、臨床検査の意義、臨床検査技師の役割等を学び、『臨床検査基礎実習』では、臨床検査に用いる基本的な器具の使い方、試薬の作り方、顕微鏡による細胞・組織の観察、シミュレータによる採血法等を学びます。

2.臨床病理学

 臨床検査データの使い方と読み方及びその解析方法を学ぶことを目的とし、『臨床病理学』に関する内容を4科目にわけ、4年生で学びます。特に、『臨床病理学Ⅲ(Reversed CPC)』では、実例から検査データの読み方及びその解析・活用方法を学びます。

3.形態検査学

 顕微鏡を用いて生体内臓器由来の組織や末梢血や骨髄中の細胞を形態学的に捉える検査、血球計数機器や計算板を用いて血球数を算定する検査、凝固・線溶因子の定量検査の解析法を学ぶことを目的とし、1年生から2年生では『血液検査学』『血液検査学実習』、2年生から3年生では『病理学』『病理検査学』『病理検査学実習』を学びます。

4.生物化学分析検査学

 主に検査試料(検体)中にある物質を化学的あるいは放射線学的手法を用いて分析する検査と、染色体・遺伝子分析検査の解析法を学ぶことを目的とし、1年生で『尿・体液検査学』『尿・体液検査学実習』、1年生から2年生にかけて『臨床化学』『臨床化学実習』、3年で『応用生化学』『放射線同位元素検査学』『分子生物学』『分子生物学実習』『公衆衛生学』『公衆衛生学実習』を学びます。

5.病因・生体防御検査学

 微生物による感染症、生体防御機能としての免疫、輸血・移植に伴う免疫反応を捉える検査を学ぶことを目的とし、1年生から3年生にかけて『臨床微生物学』『臨床微生物学実習』『医動物検査学』、2年生から3年生にかけて『免疫検査学』『免疫検査学実習』『輸血・移植検査学』『輸血・移植検査学実習』を学びます。

6.生体機能検査学

 人体に接触端子を直接装着し、生体情報を得る検査を学ぶことを目的とし、1年生から3年生にかけて『基礎生体機能検査学』『呼吸機能検査学』『循環機能検査学』『神経機能検査学』『超音波検査学』『感覚機能検査学』『生体機能検査学実習』を学びます。

7.検査総合管理学

 上記の臨床検査専門科目を修得したあと、3年生から4年生にかけて臨床検査を実践するために必要な情報処理、精度保証、検査情報システム、医用工学等のいわゆる検査総合管理学を学びます。卒業後に、医療施設、検査センター、試薬・機器の製造開発メーカー、研究所等でも活躍ができるような基本的知識と技能を身につけることを目的とします。

8.臨地実習

 上記のすべての科目群を学んだあと、3年生後期期間中に18週間連続して、天理よろづ相談所病院臨床検査部において、実際の病院の場所で臨床検査がどのように展開されているか実習を通して学びます。またチーム医療の一環として、感染症管理センター、在宅世話取りセンター、糖尿病サポートチームなど、臨床検査技師が他の医療スタッフとどのように共同しながら働いているかについて見学を通し学びます。

9.臨床検査卒業研究

 3年生後期の臨地実習での学びの後、4回生前期からは臨地実習で実際の現場を目の当たりにし、その中で自ら興味をもつ研究課題を探索します。学生一人ずつは、天理よろづ相談所病院と天理医療大学で一つのテーマを持ちながら研究計画をし、実際に実験・調査を通してデータをまとめ上げ、7月には卒業研究発表会で発表を行います。また優秀な演題については、社会人が参加する専門の学会に学生自身がエントリーして発表する機会も設けられています。そして、最終的には卒業論文として大学に提出いたします。