医療学部 総合基礎科目・共通専門基礎科目のカリキュラム

 医療学部の概要で述べられたように天理医療大学の教育には4つの特徴があります。

  • 1.コミュニケーション能力を高めるために協働して行うグループ学習や演習の重視
  • 2.協働する力を養うために学科や学年を超えた共講科目の配置
  • 3.自律する力を養うために探索的・自主的学習の支援
  • 4. 臨床に基づいた教育の重視

 これらの特徴はカリキュラム全体にみられるものですが、総合基礎科目・共通専門基礎科目のカリキュラムでみられる特徴の具体的な内容を説明します。


1.コミュニケーション能力を高めるために協働して行うグループ学修や演習の重視

 人と人とのコミュニケーションの能力を高めるためには、まず、お互いに相手のことを知り、理解することが必要です。総合基礎科目を人と社会を知るための授業と位置づけ、「こころと身体」や「生活と社会」の科目群では、人の営みを様々な角度から学び、それぞれに異なる歴史や生活環境で育った人々を理解できる能力を養います。 そして、「コミュニケーション」の科目群では、その学修をただ聞くだけでなく、コミュニケーションや協働した作業を通して行います。「言語と国際性」の科目群では、コミュニケーションの手段として英語を、グループワークなどを行いながら、コミュニケーションの場で学びます。


2. 協働する力を養うために学科や学年を超えた共講科目の配置
総合基礎科目・共通専門基礎科目のカリキュラム

「医療実践基礎実習」発表会

 社会においては、立場や年齢など異なった人々と共に働くための協働する力が求められます。将来、医療の現場でチーム医療の一役を担うためには是非とも必要な力です。総合基礎科目と共通専門基礎科目はすべて看護学科と臨床検査学科の学生が共に学ぶ科目となっています。入学した当初から、医療人としての幅広い観点の育成、多様な専門職と協働していく人間関係を築く素地を形成するために、1年次の「フレッシュマン・セミナー」、「医療実践輝度実習」では両学科の学生が少人数のチームに分かれて演習や実習を行います。また、「非言語的コミュニケーション演習」と「言語的コミュニケーション演習」では両学科の1回生と2回生が少人数のグループになってグループワークを行います。さらに、4年次になると両学科の学生が参加して症例検討会を行う「総合臨床演習」や地域包括医療を学ぶ「地域包括医療演習」があります。これらの科目において、お互いに学び合い、教え合うという相互の教育力を育むことができます。


3. 自律する力を養うために探索的・自主的学修の支援
総合基礎科目・共通専門基礎科目のカリキュラム

「相互扶助論演習」グループワーク

 2年次の「相互扶助論演習」では、両学科の学生が少人数のチームを組んで、社会の中で行われている相互扶助の営みの中から自分たちでテーマを決め、調査を行い、その結果を発表するという演習を行い、探索的で自主的な学修をします。
 また、他の科目においても、探索的・自律的な学修を支援するために、e-learning systemを導入し、学生がいつでも自由にウェブ上の授業資料にアクセスして、予習を行い、授業後に設定されたテストを受けることで復習を行うことが可能です。医療人として、常に、自主的な学修と自己評価を行うことはとても大切な習慣です。


4. 臨床に基づいた教育の重視
総合基礎科目・共通専門基礎科目のカリキュラム

「医療実践基礎実習」実習

 医療における問題を解決していくためには、医療の専門家としての知識や技術などの能力を高めるだけでなく、問題を多面的にとらえ、総合的に判断し、解決策を模索していかなければなりません。そのためには様々な職種がチームをつくり、それぞれの専門性を生かして問題解決にあたる必要があり、それがチーム医療の意義です。このチーム医療の原点を学ぶために、1年次に天理よろづ相談所病院の見学実習を「医療実践基礎実習」で行います。この実習では、入院病棟や外来の診察室といった患者さんに医療が行われているところだけでなく、人の目には触れにくい病院の様々な部門を見学し、そこで働くスタッフからその部門の活動内容を調査し、それをまとめて発表しています。医療の現場である病院には様々な部門があり、患者さんには直接接しなくても、チームの一員として医療を担っており、適切で安全な医療を支えていることを理解することができます。4年次の「総合臨床演習」では、天理よろづ相談所で行われてる栄養管理チーム(NST)、糖尿病ケアチーム(DMT)、感染コントロールチーム(ICT)のカンファレンスをシミュレーションした症例検討会を行い、チーム医療の実践を体験します。


総合基礎科目・共通専門基礎科目のカリキュラム

天理よろづ相談所病院